

2025年 / 11月21日
11月 園長のつぶやき
先週の土曜日、牛津こどもの森では「親子でお楽しみ会」が開かれました。天候にも恵まれ、青空の下で笑顔あふれる親子のふれあいのひとときとなりました。
当園の行事に対する考え方は、結果ではなく過程を大切にすることです。日々の遊びの延長やその軌跡から広がりを持たせることで行事が形づくられ、子どもたちの日常生活のありのままを見ていただく日となります。子どもの姿をそのまま表現すると、見栄えの良いものばかりではありません。しかし、一生懸命に取り組む姿や等身大の成長を、親子で感じてもらうことを大切にしています。
開催時期を冬に入る直前の11月中旬とするのも、夏の熱中症を避けるためだけではありません。行事準備によって日々の遊びが中断されることなく、秋の季節を十分に感じられるこの時期に、日常の遊びを優先することを目的としています。今年は「祇園川での川遊び」や「小城公園での秋さがし」など、秋を存分に満喫することができました。
行事名を「運動会」ではなく「親子でお楽しみ会」としているのも、子どもが活動の主体であることを園全体で共有し、従来の運動会という固定観念を取り払うためです。今年も先生方は、過去の内容にとらわれず、日常で深まっている子どもの興味や遊びから、それぞれ3歳・4歳・5歳の育ちに合ったプログラムを考えてくれました。3歳児は虫になりきったダンスやリトミック、4歳児は心のこもった歌のプレゼント、5歳児は新しく整備された森のような園庭を走り回るリレーなど、子どもたちの日常を取り入れた内容で、日々の成長を十分に感じられる素敵な「親子でお楽しみ会」となりました。
行事とは活動のゴール(目的)ではなく、子どもたちが楽しんでいる日常の遊びをさらに広げ、深めるための手段です。子どもたちの現在の興味や関心を引き込み、主体的な関わりを促すことが重要だと考えています。保育者の役割は一方的に「育てる」ことではなく、子どもたちが自ら「育っていく」過程を支えることです。そのために「育ちへの働きかけ」を意識することが大切です。
牛津こどもの森では、これからも子どもたちの心を動かし、感動や達成感につながる意味のある行事を目指して活動してまいります。当園の理念に共感し、ご参加いただいた保護者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

