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つぶやき

2026年 / 3月12日

3月のつぶやき

保育の研究の中で、「アフォーダンス」という言葉があります。これは「提供する」「与える」という意味をもつ英語 afford に由来する言葉で、私たちの周りにある物や環境が、さまざまな意味や可能性を与えてくれるという考え方です。

例えば目の前に椅子があったとします。その形を見て、私たちは「座ることができる」と認識します。言い換えると、椅子が私たちに「座ることができる」という情報を与えているとも言えます。

しかし椅子は、「座る」ことだけを示しているわけではありません。赤ちゃんは椅子を前にすると、登ったり、くぐったり、歩くための支えに使ったりします。椅子は座るだけでなく、登る、くぐる、支えるといったさまざまな可能性を示しているのです。

このようにアフォーダンスの考え方では、この世界にあるすべてのものが私たちにさまざまな意味や可能性を与えていると考えます。ある大学の先生は、こどもたちの遊びについて次のように述べています。

「こどもの遊びとは、物や環境とのかかわりの中から、無限にある意味をそこから引き出す行為なのです。こどもたちは、時に困った行動やいたずらだと捉えられることもありますが、それは世界の新しい可能性を探求している行為だとも言えるのです。」

こどもの遊びとは、物や環境が発する無限の情報を、自分なりに感じ取り、試し、確かめていく営みなのだと思います。園庭の土や草花、遊具や道具、そして友だちとの関わり。そのすべてが、こどもたちにとって新しい遊びや発見を生み出す「アフォーダンス」となっています。

嘉瀬こどもの森でも、こどもたちは日々の遊びの中で、自分なりの関わり方を見つけながら、夢中になって世界を広げています。その姿を見るたびに、こどもたちの遊びには無限の可能性があるのだと感じます。

今年度も、こどもたちのたくさんの発見や成長の瞬間を、保護者の皆様とともに見守ることができました。一年間、園の教育・保育活動に温かいご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。

これからも嘉瀬こどもの森が、こどもたちにとってたくさんの「アフォーダンス」に出会える場所であり続けられるよう、環境づくりを大切にしていきたいと思います。