

2025年 / 12月4日
12月のつぶやき
とある先生が授業で、黒板に次のように書きました。
9×1=9 9×2=18 9×3=27 9×4=36 9×5=45 9×6=54
9×7=63 9×8=72 9×9=81 9×10=91
クラスは騒然とし、生徒たちは思わず笑いました。先生が答えを間違えたからです。本当の9×10の答えは91ではなく、90です。先生は、生徒の笑いが静まるのを待ってから、こう言いました。
「私が9つの問題を正しく解いたことを、誰もほめてくれませんでしたね。
でも、たった一つの間違いをしただけで、みんな笑い始めました。
人は、どれだけたくさん成功していても、ほんの小さな間違いを見つけて指摘してしまいがちです。
けれども、決して間違えない人が一人だけいます。
それは、“何も挑戦しなかった人”です。」
最近耳にしたこの話を、私は初めて聞いたのですが、調べてみると有名なエピソードで、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。相対性理論を打ち立てたアルベルト・アインシュタインにまつわる逸話だと言われています。
従来の学校教育では、将来の成功のために、テストで間違えないこと、100点をとることが大切だとされてきました。また、社会に出ると、「成功するために」と言いながら、間違いや失敗ばかりを指摘される場面も少なくありません。しかし、それではかえって成功から遠ざかってしまうのかもしれません。なぜなら、アインシュタインが示したように、「成功には挑戦が必要であり、挑戦には必ず失敗や間違いが伴う」からです。
だからこそ、私たちは子どもたちに、「まちがえないようにする」ことよりも、「やってみよう」と一歩踏み出す気持ちを大切にしてほしいと願っています。初めてのことに取り組めば、うまくいかないことや、失敗してしまうこともたくさんあります。しかし、その一つ一つが、子どもたちの成長を支える大切な経験になります。
これからも、子どもたちが安心してまちがえたり、思いきって挑戦したりできる環境を、保護者の皆様とともに作っていけたらと思います。今後とも、ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

