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つぶやき

2025年 / 8月1日

8月 園長のつぶやき

先日、研修会に参加し、佐賀の東明館中学校・高等学校の理事長・校長である神野元基さんと、社会課題を体験できるツアーを提供している「リディラバ」の代表・安部敏樹さんの対談をお聞きする機会がありました。

その中で印象的だったのが、「これからの教育と社会に必要な力」についてのお話です。

30年前、インターネットが普及する以前は、「知識を暗記する力」や「数理的な処理能力」が重視されていました。しかし、インターネットが広まったことで、知識はいつでも引き出せるものとなり、暗記の重要性は薄れていきました。その代わりに、知識や情報を「活用する力」「応用する力」、さらには「コミュニケーション力」が求められるようになりました。

そして現在、AIの急速な進化によって、知識の活用や応用までもがコンピューターに代替されつつあります。こうした変化の中で、次に求められるのが、「主体性」や「社会課題に対する当事者意識」、そして「自ら課題を見つけ、設定する力」だとお二人は語られていました。

これらの力が本当に重要になるかどうかは、今後の時代の流れの中で証明されていくことになると思います。しかし、インターネットが社会を大きく変えたように、AIもまた同様のインパクトをもたらしており、社会がさらに進化していくことは間違いないと感じました。

そして私自身、このお話を聞きながら、もう一つ大切な力があると気づかされました。それは、「身体を使う力」です。アスリートのような特別な身体能力という意味ではありません。たとえば、食事を作ること、家具を作ること、洋服を縫うことなど、人が手を動かして行う仕事や暮らしの営みは、AIが台頭する時代だからこそ、より価値あるものとして輝いていくのではないかと感じたのです。

 

「主体性」や「自ら課題を設定する力」、そして「身体を使って生きる力」は、これまで幼児教育が大切にしてきたことでもあります。だからこそ、今後ますます幼児教育の重要性が増してくるのではないかと、改めて感じた時間でした。