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2025年 / 7月3日

7月 園長のつぶやき

先日、園で子どもから「コンサートがあるから来て!」と誘われ、クラスへ付いていってみると、様々な手作りの楽器を持った子どもたちが、先生のピアノに合わせて演奏する姿を見せてくれました。話を聞くと、最初は数人で始まった太鼓作りが、他の子どもたちもどんどん参加し、コンサートを開くまでになったそうです。

以前、大豆生田啓友さんという有名な保育の先生から「いい園には必ず子どもたちによる遊びのブームがたくさん起きている」という話を聞いたことがあります。それは、ブームが起こる過程で、こどもたちは様々なことを考え、体験することができるからです。

今回の例で言えば、最初は「太鼓を作りたい!」という数人の気持ちから始まりましたが、そこに「一緒にやりたい」「もっと楽しいことをしたい」と次々に仲間が加わっていきました。誰かが「こんな音が出るよ」と見つければ、「じゃあ私は違う音を作ってみよう」と工夫が生まれ、自然と役割分担ができていきます。楽器作りに必要な素材を探したり、どんな曲を演奏しようか相談したり、時には意見がぶつかることもあったかもしれません。

しかし、こうした過程こそが、こどもたちにとってとても大切な「学び」なのです。遊びの中で、こどもたちは自主性を育み、友だちと協力する楽しさや難しさを味わい、何より「やりたい!」という気持ちが叶う喜びを実感していきます。

大人が与えた遊びではなく、こどもたち自身が夢中になって広げていく遊びは、時に私たちの想像を超える素晴らしい世界をつくり出します。そして、こうした遊びのブームが次々に生まれる環境を整えることこそ、私たち保育者の大切な役割だと、改めて感じさせてもらった出来事でした。

これからも、こどもたちが「面白そう!」「やってみたい!」と心を動かす瞬間を大切にしながら、一緒にたくさんのブームを楽しんでいきたいと思います。